ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)型判定 混合感染例ではDominant(優勢型)も表示
HPVの遺伝子型と子宮頸癌
子宮癌検診で現在行なわれている細胞診は有効な検査法であり、これまでの検診により子宮頸癌の発症数が著しく減少しています。しかし、細胞診で前癌病変(異形成)を見逃すこともありえると認識されています。一方、細胞診にHPV検査を併用することにより病変の発見率が著しく上昇するといわれ、アメリカでは既に、HPV検査がより重要であるとの認識に基づいて子宮癌検診ガイドラインにHPV検査が導入されております。
HPVは二本鎖環状DNAをもつウイルスであり、子宮頸癌の95%以上からウイルス遺伝子が検出され、HPVが子宮頸癌発生に深く関与していると言われています。HPVの遺伝子型(genotype)は100種類を超え、HPVの型は子宮頸癌と密接に関連する高リスク型と発癌に直接関係しない低リスク型、その中間型に分けられます。
弊社では、PCR-Invader法により、14種類のHPV高リスク型(16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 59, 67, 68型)を判別できる検査法を開発致しました。また、HPV高リスク型が混合感染している場合には、相対比率の高い型(Dominant)を区別してご報告いたします。
PCR-Invader法によるHPV Dominantの検出
弊社では、PCRとInvader法を組み合わせた定量測定用の改良型PCR-Invader法を開発、この方法を用いることにより、HPV混合感染における優勢型を検出することが可能となりました。
本検査は患部擦過物が検査材料であり、採取されるウイルス量はサンプリングにより大きな影響を受けるため、その絶対量自体はあまり意味を持ちません。そのため、本測定系では型間における相対量の比較から優勢型を判定し、報告しております。
PCR-Invader法とHybrid Capture法 (HPVハイリスク型スクリーニング検査)の相関
臨床検体を用いてPCR-Invader法とHybrid Capture法の相関を調べたところ、29検体中27検体(93.1%)が一致しました。結果が乖離した2例については、シークエンス解析の結果、PCR-Invader法の結果が妥当であることを確認しました。(図)
HPV high risk
PCR-Invader
陽性
陰性
hybrid capture
陽性
13
1*1
陰性
1*2
14
*1 : シークエンス解析で、66型(high risk14型以外の型)と確認
*2 : シークエンス解析で、56型(high risk群のひとつ)と確認
[ 受託要領 ]
項目コード
1938
検査項目名
ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)型判定
検体必要量
子宮頸部擦過細胞
採取容器
弊社容器: HPV-1、HPV-2
保存条件
冷蔵
検査方法
PCR-Invader法
報告様式
16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 59, 67, 68の高リスク型
およびその他の型
混合感染例ではDominant(D表示)を報告)
所要日数
3〜9日
診療報酬
未収載
備 考
HPV-DNA(高リスク型)検査の検体で本検査の追加依頼が可能です。
[ 参考文献 ]
Yoshikawa H et al. Detection and typing of multiple genital human papillomaviruses by DNA amplification with consensus primers. Jpn. J. Cancer Res. 82, 1991
津島慶三 Invader法によるヒト・パピローマウイルス(HPV)の遺伝子型判定Vita Vol.24 No.2 2007/4.5.6