冠動脈性心疾患(CHD)予防に葉酸(ビタミンB群)とビタミンB6が効果があるという報告が、最近特に米国において目立つようになっている。
この根拠となっている研究は、血中のホモシステイン(Homocysteine)レベルが高いと、CHDの発症率、死亡率が高いので、ホモシステインの血中レベルを低下させることにより、CHDの発症率、死亡率を低減させるというものである。
すなわち、女性(米国)を対象にした調査(Nurses'Health study,1980〜1994,E.B.Rimmet
al,JAMA,359,1998)では葉酸158μK/dayの摂取者に比して696μK/dayの摂取者ではCHDのリスクは31%低下し、ビタミンB6
1.1mg摂取者に比して4.6J摂取者ではリスクは33%低下し、これらのビタミンを共に同量摂取するとリスクは45%低下するという結果が報じられている(American
Medical Association Science News Updates,Week of February 4,1998)。
Kilmer S.Mccully博士(Department of veterans Affair Medical Center,Providence,R.
I,USA)は現行の葉酸およびビタミンB6のRDA(推奨栄養所要量 、米国)はCHDのリスクを防ぐには余りにも低すぎるので、RDAを改定すべきであると述べている。
日本においても、高年者を対象とした同様の研究が行われており、血中高ホモシステインレベルがCHDの危険因子であることが報じられている(自治医院大学、苅尾ら)。今後の血中ホモシステインレベルとCHDのみならず脳梗塞との関連について研究が注目される。
ホモシステインとは硫黄をもったアミノ酸であるが、蛋白質を構成するアミノ酸ではない。蛋白質構成アミノ酸であるシステインと類似のアミノ酸である。
ホモシステインの代謝の概略は次のようである。 |