No.1 (Oct.1998)

ビタミンBと葉酸(ビタミン)が冠動脈性心疾患(CHD)のリスクを低減


冠動脈性心疾患(CHD)予防に葉酸(ビタミンB群)とビタミンB6が効果があるという報告が、最近特に米国において目立つようになっている。
この根拠となっている研究は、血中のホモシステイン(Homocysteine)レベルが高いと、CHDの発症率、死亡率が高いので、ホモシステインの血中レベルを低下させることにより、CHDの発症率、死亡率を低減させるというものである。
すなわち、女性(米国)を対象にした調査(Nurses'Health study,1980〜1994,E.B.Rimmet al,JAMA,359,1998)では葉酸158μK/dayの摂取者に比して696μK/dayの摂取者ではCHDのリスクは31%低下し、ビタミンB6 1.1mg摂取者に比して4.6J摂取者ではリスクは33%低下し、これらのビタミンを共に同量摂取するとリスクは45%低下するという結果が報じられている(American Medical Association Science News Updates,Week of February 4,1998)。 Kilmer S.Mccully博士(Department of veterans Affair Medical Center,Providence,R. I,USA)は現行の葉酸およびビタミンB6のRDA(推奨栄養所要量 、米国)はCHDのリスクを防ぐには余りにも低すぎるので、RDAを改定すべきであると述べている。
日本においても、高年者を対象とした同様の研究が行われており、血中高ホモシステインレベルがCHDの危険因子であることが報じられている(自治医院大学、苅尾ら)。今後の血中ホモシステインレベルとCHDのみならず脳梗塞との関連について研究が注目される。

ホモシステインとは硫黄をもったアミノ酸であるが、蛋白質を構成するアミノ酸ではない。蛋白質構成アミノ酸であるシステインと類似のアミノ酸である。

ホモシステインの代謝の概略は次のようである。
 
ホモシステインの代謝の概略


(ホモシステインにベタインからメチル基が供給されてメチオニンの生成される反応もある)。

図のようにホモシステインをメチオニンに転換する酵素反応に葉酸が、またシステインの合成反応にはビタミンB6が必要である。これらのビタミン(葉酸400μK/day、B6を3J/day)を摂取することにより血中ホモシステイン量が低下し、CHDによる死亡率がほぼ半減する可能性が示唆されている。これらの所要量は現行のRDA(米国)を相当上回る量である。
 
【参考】食品のビタミンB6、葉酸含有量(100K中)(四訂)日本食品成分表、1982
 
ビタミンB6(J)
葉酸(μK)
だいず粉
0.8
195
らっかせい
0.5
110
あずき
0.1
110
いんげんまめ
 0.55
114
ブロッコリー
 0.23
130
めきゃべつ
 0.28
110
ほうれんそう
 0.18
140
かに
 0.50
 92
ひらめ
1.0
いわし
1.0
牛肝臓
 0.83
330
豚肝臓
 0.68
110

<BMLでは本文中に登場する下記検査を実施しております。>
ホモシステイン
葉酸

ビタミンB6

 依頼コードNo.
4267
578
579
 検体必要量
血漿1.0N
血清0.5N
血漿2.1N
 検体の保存方法
凍結(専用容器)
凍結
凍結 (専用容器・
遮光必要)
 報告日数
4〜16日
2〜3日
7〜18日
 検査方法
HPLC法
CLIA法
酵素法
 基準値
M:8.2〜16.9 nmol/N
F:6.4〜12.2 nmol/N
2.4〜9.8 ng/N
3.6〜18.0 ng/N
 検査実施料/判断料
500点/生化 120点
310点 精密測定
/生化135点

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