BML倫理宣言

BML倫理ガイドライン

1.対象及び目的

ビー・エム・エル倫理ガイドラインは、株式会社ビー・エム・エル及び関連企業(以下「当社」という)において実施している検体検査及び研究開発業務を対象とし、これらに関連する倫理的な諸問題について遵守すべき事項を明らかにし、適切な対応を図ると共に、医療に携わる者としての自覚を高め、医療、公衆衛生の向上に資する目的で定める。

2.検体検査、研究開発業務の実施

(1)医療機関や研究機関等よりヒト遺伝子に関わる検体検査を受託する際には、「遺伝学的検査受託に関する倫理指

       針」(平成28年3月24日改正、一般社団法人日本衛生検査所協会)を遵守する。特に、指定難病関連の遺伝学的

   検査(D006-4 エ)を受託する際には、「遺伝学的検査の実施に関する指針」(平成28年4月1日 4団体)を遵守

   する。       

(2)医療機関や研究機関等とヒト遺伝子に関わる研究開発業務を行う際には、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関す

      る倫理指針」(平成26年11月25日一部改正、文部科学省、厚生労働省、経済産業省)に則っていることを確認

      する。

3.個人情報の保護等

個人情報の秘匿が要求される検査、特に、遺伝学的検査*の受託にあたっては被検者の個人名を医療機関の協力のもとに符号又は番号により匿名化する。またこれらの検査結果は、担当医師に対して親展扱いで報告する等、個人遺伝情報の保護に努める。ただし、薬剤応答性に関する遺伝子検査(生殖細胞系列のファーマコゲノミクス検査)の取扱いに関しては、これまでに示された指針・ガイドラインに従い、単一遺伝子疾患が考えられる場合でも、本遺伝子検査の結果、健康障害をもたらさない場合には、匿名化や親展報告の取扱いについてはその限りではなく、原則として医療機関と協議の上で適切な運用方法を決めることができる。

*「遺伝学的検査」とは、日本衛生検査所協会が策定した「遺伝学的検査受託に関する倫理指針」に適用される「遺伝学的検査」を指し、ヒト生殖細胞系列遺伝子検査であり、以下が対象となる。

  1) 単一遺伝子疾患の診断に関する遺伝子検査

  2) 薬剤応答性診断に関する遺伝子検査

  3) 生活習慣病等の疾患感受性(易罹患性)診断に関する遺伝子検査

  4) その他、個人の体質診断に関する遺伝子検査等

  5)先天異常・生殖障害等の診断に関する染色体検査

  6)出生前診断に関する遺伝学的検査

4.インフォームド・コンセントの確認等

遺伝学的検査*の受託に際しては、検査の実施前に医師が被検者に対して、検査の目的、方法、精度、限界、結果の開示方法等について十分な説明をし、被検者の自由意思による同意(インフォームド・コンセント)を得ることを医療機関に要請する。また、検査の実施前後に遺伝カウンセリングが特に必要と考えられる検査の受託に際しては、関連学会等で示された指針・ガイドラインに従い、十分な遺伝医学的知識・経験を有する臨床遺伝専門医等が適切に遺伝カウンセリングを行う体制があることを医療機関に確認する。さらに、遺伝学的検査を受託する際には、委託元である医療機関等の求めに応じ、遺伝学的検査の特性や手順について説明を行う。

5.受託検体の取り扱い

(1)検査のため受託する検体の取り扱いについて、検査を委託する医療機関等と契約を結ぶ。

(2)検査のため受託した検体は、依頼された検査のみ行い、他の用途には転用してはならない**。

(3)検査済み検体の第三者への分与は行ってはならない**。

(4)検査済み検体は、定められた保管期間後、廃棄する。   

**日本医師会、日本臨床衛生検査技師会、日本衛生検査所協会等への精度管理調査への提供、及び当社での精度維持、向上のための管理試料としての使用は除く。ただし、遺伝学的検査および体細胞遺伝子検査の受託検体についてはこれら用途への転用、分与は行ってはならない。

6.検査技術の質の確保

検査を行う者は、検査実施に必要なかつ十分な医科学的知識及び検査技術を持ち、常に新たな知識、技術の習得等の研鑚に努める。また検査担当部門においては、実施している検査の正当性及び技術的妥当性の確認を行う。

7.生体試料を用いた研究開発

(1)人の尊厳に反する、あるいは医療、健康の推進、社会福祉等に反する研究開発は行ってはならない。

(2)遺伝学的検査に関わる研究開発については、倫理委員会に申請し審査を受け、承認されなければ行ってはならな

       い。

8.社内ボランティアによる生体試料の提供

遺伝子関連検査を行うために社内ボランティアから、血液、尿等の試料提供を受ける場合、その使用目的、解析結果の取り扱いなどについて提供者の文書によるインフォームド・コンセントを得なければならない。

9.新規遺伝子検査法

新規に開発した遺伝学的検査に関わる検査項目は、その有用性と共に倫理的、法的、社会的問題について倫理委員会で討議し、承認を得た上でなければ受託することができない。

10.ガイドラインの変更

本ガイドラインは、必要に応じて、また施行後1年ごとに見直しを行う。

本ガイドラインの変更は、倫理委員会の承認を必要とする。

平成13年4月9日 施行

平成13年7月2日 一部修正

平成14年4月1日 一部修正

平成16年1月22日 内容確認

平成17年9月5日 内容確認

平成18年2月3日 内容確認

  平成19年10月5日 一部修正

平成20年5月19日 内容確認

平成21年5月14日 内容確認

平成22年2月3日 一部修正

平成22年6月3日 内容確認

平成23年5月23日 内容確認

平成24年1月13日 一部修正

平成24年9月4日 一部修正

平成25年7月4日 内容確認

平成26年4月1日 一部修正

 平成27年4月1日 一部修正

平成28年7月22日 一部修正

平成28年12月13日 一部修正

平成29年5月16日 内容確認

平成30年5月9日 内容確認

令和元年6月11日 内容確認

参考資料

  1. 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」(平成26年11月25日 一部改正文部科学省、厚生労働省、経済産業省)
  2. 「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」(2011年2月日本医学会)
  3. 「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」(1997年11月11日 ユネスコ:国際連合教育科学文化機関)
  4. 「遺伝医学と遺伝サービスにおける倫理的諸問題に関して提案された国際ガイドライン」(1998年WHO:世界保健機構)
  5. 「人間を対象とする医学研究の倫理的原則」(2008年10月修正WMA(世界医師会)ヘルシンキ宣言)
  6. 「遺伝学的検査受託に関する倫理指針」(平成23年10月1日改正社団法人日本衛生検査所協会)
  7. 「個人情報の保護に関する法律」(平成30年7月27日改正 平成30年法律第80号総務省)
  8. 「遺伝学的検査としての染色体検査ガイドライン」(2006年10月17日 日本人類遺伝学会)
  9. 「ファーマコゲノミクス検査の運用指針」(2012年7月2日改定日本臨床検査医学会、日本人類遺伝学会、日本臨床検査標準協議会)
  10. 「ゲノム薬理学を適用する臨床研究と検査に関するガイドライン」(2010年12月16日日本人類遺伝学会、日本臨床検査医学会、日本臨床薬理学会、日本TDM学会、日本臨床検査標準協議会)
  11. 「遺伝学的検査の実施に関する指針」(2016年4月1日 日本小児科学会、日本神経学会、日本人類遺伝学会、日本衛生検査所協会)

ビー・エム・エル倫理ガイドライン運用内規

1.検査済み検体の第三者への分与について

遺伝学的検査以外の検査済み検体について、連結不可能な匿名化及び担当役員の承認を条件に、当社検査とのクロスチェック等の精度管理用試料として第三者検査機関への提供を行うことがある。

2.検査データの利用について

医療の発展に資するため、連結不可能な匿名化を条件に、使用することがある。

3.出生前検査の受託について

出生前検査は、日本産科婦人科学会等の見解を遵守し、倫理委員会の承認を得た検査項目以外、受託してはならない。

用語解説

[]内は出典を示す。

検体

血液、体腔液などの体液、尿、糞便、その他の分泌物、臓器・組織、細胞など生体試料。検体から作成された標本を含む。分離病原微生物は対象外とする。(日本臨床検査医学会「会告」2010年2月)

また、以下の1)~3)をいう。

1)遺伝子関連検査に用いるために被験者やその家族及び血縁者より採取

 された血液、組織、細胞、体液及び排泄物やこれらから調製・精製され

 たDNA及びRNA

2)遺伝子関連検査実施の中間工程で得られた遺伝子の複製・転写・増

 幅産物

3)白血病、遺伝性疾患等に関する染色体検査実施の中間工程で得られた

 カルノア固定細胞等をいう。(一般社団法人日本衛生検査所協会「遺伝

 学的検査受託に関する倫理指針」平成28年3月)

管理試料臨床検査の精度管理に用いる対象物質の濃度が明らかな血清等の試料をいう。
個人情報

生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。

(文部科学省・厚生労働省・経済産業省「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」平成26年11月25日)

匿名化

提供者の個人情報が法令、本指針又は研究計画に反して外部に漏えいしないよう、その個人情報から個人を識別する情報の全部又は一部を取り除き、代わりに当該提供者と関わりのない符号又は番号を付すことをいう。試料・情報に付随する情報のうち、ある情報だけでは特定の人を識別できない情報であっても、各種の名簿等の他で入手できる情報と組み合わせることにより、当該提供者を識別できる場合には、組合せに必要な情報の全部又は一部を取り除いて、当該提供者が識別できないようにすることをいう。(文部科学省・厚生労働省・経済産業省「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」平成26年11月25日)

遺伝子関連検査

1)病原体核酸検査

 ヒトに感染症を引き起こす外来性の病原体(ウイルス、細菌等微生物)

 の核酸(DNAあるいはRNA)を検出・解析する検査。

2)ヒト体細胞遺伝子検査

 癌細胞特有の遺伝子の構造異常等を検出する遺伝子検査および遺伝子発

 現解析等、疾患病変部・組織に限局し、病状とともに変化し得る一時的

 な遺伝子情報を明らかにする検査。

3)ヒト遺伝学的検査

 単一遺伝子疾患、多因子疾患、薬物等の効果・副作用・代謝、個人識別

 に関わる遺伝学的検査等、ゲノムおよびミトコンドリア内の原則的に生

 涯変化しない、その個体が生来的に保有する遺伝学的情報(生殖細胞系

 列の遺伝子解析より明らかにされる情報)を明らかにする検査。


1)~3)を総称して「遺伝子関連検査」とし、一般的にはそれぞれ、1)病原体核酸検査、2)体細胞遺伝子検査、3)遺伝学的検査の用語を用いる。(一般社団法人日本衛生検査所協会「遺伝学的検査受託に関する倫理指針」平成28年3月)

親展報告検査を依頼した、患者を担当する医師自身が開封し、検査結果を確認することを求める封書による報告をいう。
インフォームドコンセント

被検者が、遺伝子学的検査実施に当たり担当医師から検査に関する十分な説明を受け、その検査の目的、方法、精度、限界、結果の開示方法及び予測される不利益等を理解し、自由意思に基づいて検査の実施について同意することをいう。(一般社団法人日本衛生検査所協会「遺伝学的検査受託に関する倫理指針」平成28年3月)

遺伝カウンセリング

遺伝医学に関する知識及びカウンセリングの技法を用いて、対話と情報提供を繰り返しながら、遺伝性疾患をめぐり生じ得る医学的又は心理的諸問題の解消又は緩和を目指し、支援し、又は援助をすることをいう。(一般社団法人日本衛生検査所協会「遺伝学的検査受託に関する倫理指針」平成28年3月、文部科学省・厚生労働省・経済産業省「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」平成26年11月25日)

ヒト生殖細胞系列遺伝子解析

その個体を形成するすべての細胞に共通する遺伝子の変異を明らかにするために、末梢血等を用いて遺伝子を検査することをいう。(一般社団法人日本衛生検査所協会「遺伝学的検査受託に関する倫理指針」平成28年3月)

社内ボランティア株式会社ビー・エム・エル及び関連企業の従業員で、自らの意思により精度管理や研究開発に用いられる血液等の試料提供者となる人をいう。

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