中期経営計画

第9次中期経営計画(2024-2028)

2024年度から2028年度までの5ヵ年を対象とする第9次中期経営計画を策定いたしました。

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1.第8次中期経営計画(2021年度~2023年度)の総括

第8次中期経営計画は、2015年にスタートした第6次中期経営計画から9ヵ年に及ぶ中期的な計画の集大成の期間に位置し、名実ともに業界 №1を目指す「飛躍期」としておりました。この期間は2020年2月頃から発生しました新型コロナウイルス感染症の対策に忙殺されることとなりましたが、このような状況下におきましても、基本戦略フレームワークとして掲げた「ラボネットワークの充実」「営業力の充実」「集配プロセスの革新」において各種施策を展開してまいりました。具体的には、拠点ラボでの細菌検査や病理・細胞診検査の処理能力拡大、新規開拓活動の継続や健診事業の強化による売上高拡大、DRSの推進による集配の効率化など相応の成果を上げることができたと認識しております。

計数面では、売上高において当初計画をクリアすることができましたが、収益においては諸物価の高騰や人手不足による人件費増の影響を受け計画未達に終わりました。

第8次中期経営計画 業績
(単位:百万円)
2023年度計画2023年度実績達成率
売上高135,000137,964102.2%
営業利益11,5009,16779.7%
営業利益率8.5%以上6.6%

2.第9次中期経営計画(以下、本中計)の概要

(1)基本方針

  • 企 業 理 念 : 「豊かな健康文化を創造します」
  • グループビジョン: 「医療界に信頼され選ばれる企業をめざす」
  • ス ロ ー ガ ン   : 「Expanding with Passion 2028」

本中計においても引き続き人々の健康に資することを事業の目的とし、医療界をはじめとするお取引業界の皆様に信頼され選ばれる企業をめざします。この企業理念・グループビジョンのもと、本中計は「10年先を見据えた事業拡大を確固たるものにする」ための期間と位置付け、事業の成長を維持しつつ集中投資による事業基盤の大幅な拡充も同時並行で進めてまいります。
物価高騰や人手不足が続く今までにない厳しい事業環境の中、全役職員が情熱をもって計画に取り組むよう、スローガンとして「Expanding with Passion 2028」を掲げ、グループの総力をあげて計画の実現をめざします。

(2)3つのキーコンセプト

本中計では、当社の今後の事業拡大の鍵となる以下の3つのコンセプトを定めました。

  1. 1さらなる品質・・・従来からの品質活動を内外へ浸透させ企業価値に変えていく。
  2. 2ソリューション・・受託業務から一歩踏み込み顧客課題解決の姿勢を明確に打ち出す。
  3. 3相互の発展・・・株主・従業員・顧客に加え、仕入先・地域社会・地球環境にも配慮しそれぞれの発展に寄与する。

当社は第6次から第8次中期経営計画までの9年間、品質向上を基調として取り組んでまいりましたが、その成果として全社的に品質向上意識は定着しつつあります。本中計におきましては、高い品質意識を維持しつつお客様にその取組状況と効果を訴求し理解を得ることで、「品質」を当社の企業価値に昇華させてまいります。
一方、当社は従前よりお客様から受託したものを確実に受け取り、正確な検査結果をより早くお返しすることに注力してまいりました。今後はこれにとどまらず当社がもつ業務効率化ノウハウや独自システムを活用したDX機能などを積極的にご提案することで、一歩踏み込んだお客様の各種課題解決に貢献するよう取り組んでまいります。
また、創業時の社名「相互ブラッド・バンク」に込められた相互の精神に立ち返り、各ステークホルダーとの相互の発展をめざします。本中計では当社が事業を継続するうえで不可欠なステークホルダーを「株主」「従業員」「顧客」「仕入先等の取引先」「地域社会」「地球」の6つと定義し、それぞれのステークホルダーに配慮し良好な関係を構築します。

(3)基本戦略フレームワーク

第9次中期経営計画では、3つのキーコンセプトのもと「次世代ラボ構築」を核とし、「売上・シェア拡大」「標準化推進」「事業ポートフォリオ最適化」「収益性向上」「高機能検査開発」「サービスレベル強化」の6つの目標を進めてまいります。 本中計では、BML総合研究所新棟、BMLフード・サイエンス検査新棟、PCLジャパン新東京ラボが稼働し、受託キャパシティーの拡大と効率化が可能となります。これらのインフラを活用し、売上高の拡大のみならず事業のレベルを検査品質・収益体質・サービスレベル・研究開発の面で向上させてまいります。

(4)DX(デジタルトランスフォーメーション)

当社は「顧客体験価値の向上」×「業務効率化」をDXとして定義づけてDXソリューションに取り組んでいます。すでにDRS、電子カルテ等で診療をサポートする機能を提供しておりますが、とくに顧客の業務効率化に資する機能やIT製品ラインアップをさらに充実させてまいります。このため今後10年間にわたり約100億円のDX推進投資を計画しております。また、デジタル人財育成においては、従業員の各種資格取得を進めておりますが、今後資格取得支援を充実させるとともに高度DX人材を採用・育成してまいります。

(5)第9次中期経営計画 数値目標

本中計最終年度の売上高は、CAGR4%以上とし1,600億円を見込んでいます。営業利益は、140億円、ROE8%以上を目指します。

(単位:百万円)
2023年度実績2028年度計画
売上高137,964160,000
営業利益9,16714,000
EBITDA15,74520,000
営業CF14,44616,000
ROE4.8%8.0%以上
PBR0.9倍1倍以上